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お知らせ

約40年前に聞き取り調査で集めた民話を学術成果リポジトリから公開しました(第3弾)

更新日: 2020-03-25 対象:全館/アカデミック・リンク・センター

福島県・長野県・山梨県の民話を集録した『千葉大学日本文化研究会 民俗調査報告書 リポジトリ用覆刻版』4冊 を「千葉大学学術成果リポジトリ CURATOR」からインターネット公開しました。

1973(昭和48)年から1993(平成5)年にかけて,東北・関東・中部地方を中心に,民話や習俗などの聞き取り調査を行い刊行された『民俗調査報告書』35冊のうち,今回公開分を含め15冊をリポジトリから公開しました。全文がテキストデータ化されたことにより,民話の本文をキーワードで検索したり,Adobe Readerの読み上げ機能で聴くこともできます(方言のイントネーションは再現されません)。

今回公開した民話の聞き取り調査地と調査年
福島県南会津郡南郷村(現 南会津町)      (1973年, 1974年調査)
福島県南会津郡伊南村(現 南会津町)      (1974年調査)
福島県南会津郡舘岩村(現 南会津町)      (1974年調査)
長野県北安曇郡池田町              (1985年調査)
山梨県西八代郡下部町古関(現 南巨摩郡身延町) (1987年調査)

【千葉大学日本文化研究会 民俗調査報告書 リポジトリ用覆刻版】
https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/search/000409/?lang=0&cate_schema=1000&mode=0&codeno=1

民俗調査報告書とデジタル覆刻版

左:ガリ版刷りの民俗調査報告書 右:デジタル覆刻版
ガリ版刷りではかすれて読み取れない箇所も校正されデジタル化されている

約40年前に,故 川端豊彦 千葉大学名誉教授の指導を受けて,千葉大学の当時の学生サークル「千葉大学日本文化研究会」が調査を行い,ガリ版刷りで発行された民俗調査報告書を,同サークルの初代会長 加部恒雄さんをはじめとする千葉大学卒業生13名が,2014年から6年がかりでデジタル覆刻しリポジトリから公開しました。
 6年間を振り返り,デジタル覆刻に携わった千葉大学卒業生の1人,藤川誠さんは次のように語ります。

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「定年退職後の余暇を利用して,自分たちが作った手書き民話集だけは活字の覆刻本にして残しておきたいね!」と,千葉大生時代に民話調査のサークル活動をしていた当時の仲間と語り合っていた6年前のある日のこと,「千葉大学附属図書館からの連絡で,図書館に寄贈されていなかった民話調査報告書を閲覧したいという他大学の学生さんから問い合わせがあったそうです。藤川さん,その民話集を知りませんか?」という電話が(40年以上も前の卒業生の私に)後輩の民話調査仲間から突然かかってきました。
 この「学生さんが民話調査報告書を閲覧したい」という問い合わせの話がきっかけで,「ぜひ,母校の千葉大学附属図書館に民俗調査報告書全巻を寄贈して,みんなに読んでもらえるようにしてほしい」という初代会長の強い要望のもと,6年がかりの,民俗調査報告書全巻(原書)を集める作業と,リポジトリ公開用覆刻版制作が始まりました。
 昔の調査報告書を大切に保存している仲間はごく少数でしたので,過去に調査した地域の図書館や教育委員会そして役場を訪問し,最終的に手元にない報告書(原書)すべてを2年がかりで見つけ出し,コピー本を作りました。つぎに,学術的な資料集として優先順位が高いと思われた民話調査報告書15冊についてのデジタル化作業計画をたて,千葉大学に近い近県在住の民話調査経験者たちに事情を伝えたところ,卒業後は一度も会ったことのない仲間からも作業への応援快諾連絡が次々に届き,定年退職後も仕事を抱えている主要メンバー13名でリポジトリ公開版制作の作業を開始しました。
 作業を始めてみると,手書き謄写版刷りの報告書にまとめた冊子は,経年劣化で文字の判読が困難なページが多いので,工学部出身メンバーが可能な限り画像処理技術を駆使して解読しました。また,話者の語った方言のままの民話は,読者にとって難読民話になりますので,直接現地まで出かけたり,手紙やメールで問い合わせをして,ルビ・注釈・解説・意訳等の加筆で読みやすくしましたが,これらの作業に2年以上かかりました。最後の5~6年目は,パソコンによるデジタル入力担当仲間で全15冊を分担。聴き慣れない方言をきちんとキー入力することの疲労感は想像以上のものでした。
 しかし,私たちがこの作業をやり遂げるための原動力になったのは,今でもふっと目の前に浮かぶ,『見ず知らずの私たち学生に快く民話を語って聞かせてくださったおばあさんやおじいさんの笑顔』と図書館スタッフの方たちの熱意でした。15冊の民話集の中には,民話調査担当者の採話感想文も掲載されていますので,その部分も読んでくだされば,私たちが取り組んだリポジトリ公開用覆刻版作業への思いが,ご理解していただけると思います。

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40年前には古老の記憶の片隅のものとなり失われかけていた民話の語りが,千葉大学生の丹念な調査で記録に残され,そして再び集まったメンバーの熱意のもとにデジタル覆刻されたことにより,後世につなぎ留められました。福島県三島町では,千葉大学日本文化研究会の民俗調査報告書が元となり現地の語り部サークルの手で絵本が作られ,地域文化継承と郷土愛醸成に貢献しています。 さまざまな地域の多彩な民話をインターネットで公開することで,誰でも読んで楽しむことができるようになります。また,デジタルデータになることによって,民話や方言,地方文化についての研究がさらに進むことが期待されています。
参考:
・千葉大学附属図書館「46年前に聞き取り調査で集めた民話を学術成果リポジトリから公開しました」(2019-09-01)
・千葉大学附属図書館「40年前に聞き取り調査で集めた民話を学術成果リポジトリから公開しました(第2弾)」(2019-12-02)
・千葉大学附属図書館「千葉大学の学生が40年前に福島県三島町で聞き取り調査した民話が絵本になりました」(2019-12-09)
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