著者の言葉
本書は、港湾法の解説書である。2012年に初版を刊行(本学法学資料室に所収)以来、制度的な変更に合わせて改訂し、本書は4訂版である。港湾管理者たる地方公共団体(千葉県、横浜市など)の職員や港湾関係の実務家に広く読まれている。ただし、いわゆるノウハウ本ではなく、制度の背景についての記述や地方公共団体の諸条例の解説も行い、理論的・体系的な記述となっている。港湾は、コンテナ輸送のための埠頭としてのみでなく、クルーズ船の寄港先として、更には国防の拠点としての役割を果たすなど、その役割は今後ますます重要になってくるであろう。本書は、港湾の制度的基盤を経年的に、かつ体系的に明らかにし、今後のわが国における港湾制度の整備・充実に資するためのものでもある。